ML1, PDF2遺伝子はHD-GL2 (Homeodomain-Glabra2)と呼ばれる遺伝子群に属し，シロイヌナズナのゲノムにはこの仲間が１６遺伝子コードされていることがわかりました．
この遺伝子群の名前のもとになったGL2遺伝子の欠損変異体は，葉や茎の表皮にできる毛（トライコームtrichome）がなくなる一方，根毛root hairが根の全ての表皮細胞列から分化します．
ホメオドメインは元々ショウジョウバエの数々のホメオティック変異（前脚が後脚になったり眼が脚になるような器官が置き換わる変異）の原因タンパク質に見つかった６０アミノ酸の保存領域で，DNAに結合して標的遺伝子の発現を調節します．
私たちの結果と考え合わせると，このHD-GL2遺伝子群は表皮細胞分化に関わる遺伝子の発現制御に重要な役割を果たす転写因子をコードしていることが推測されます．
他の未解析のメンバーについて，その機能欠損変異体を単離して表皮細胞分化における機能または関与を明らかにすべく研究を行なっています．
