(2) シロイヌナズナ “Yes, I am a model.”

Arabidopsis2005-06-05

シロイヌナズナアブラナ科の1年生草本で,野ナズナ(ぺんぺん草)の仲間です.
発芽germinationから花が咲くfloweringまで3週間程度で生活環が短い,背丈が小さい,染色体(ゲノム)のサイズが小さい,自家受粉して多数の種子が収穫できる,形質転換しやすいなどの理由で,“植物のショウジョウバエ”などと呼ばれて実験植物として注目され始めました.
日本では,
Takahashi T and Komeda Y (1989) Characterization of two genes encoding small heat-shock proteins in Arabidopsis thaliana. Mol Gen Genet 219: 365-372
により最初の遺伝子クローニングが報告されました.
2000年には全ゲノム塩基配列が決定されて,高等真核生物の中では最も正確なゲノム情報が整備された生き物の一つとなり,今や多くの植物研究者が材料に用いています.
新たに変異体を単離した場合には好き勝手な名前を付けることができ,これもささやかな楽しみの一つですが,通例,3文字のイタリック体小文字で略記するので,これは既存の名前と重ならないようにします.
The Arabidopsis Information Resource
http://www.arabidopsis.org/