(7) DNAの二重らせんとらせん葉序 The spirals

Arabidopsis2005-06-10

Takahashi et al. (2002) Plant Cell 14: 2085-2093

植物のかたちの不思議の一つに,葉や花芽の原基が茎頂の周りにできる規則性 phyllotaxis(葉序)があります.
これがシュート(茎)の周りにらせんパターンを描く場合 spiral phyllotaxisはよくフィボナッチ数列に当てはめられます.
このパターン形成pattern formationの分子機構はまだよくわかっていませんが,茎頂の大きさと形状,オーキシンの極性輸送によってできた濃度勾配が重要であることが明らかになりつつあります.
シロイヌナズナの葉序,花序も,典型的ならせんパターンを示します.
個々の花芽形成とともに茎が伸長してできる形態を総状花序と呼びますが,私たちは上記の論文でこのパターンが崩れ,一つの節から複数の花芽ができるシロイヌナズナの変異体を報告しました.
変異の原因遺伝子はDNAのねじれを解消するI型DNAトポイソメラーゼ(TOPO I)をコードしていました.
DNA二重らせんのねじれが正しく解消されないと葉序と花序のらせんパターンが正しく形成されないのはなぜでしょうか?
この変異体top1aは花序や個々の花自体も絞ったようなねじれを示します.
top1の解析は人手が足りなくて現在進んでいません.